月九ガリレオ第六話

フジテレビ系。月九ドラマ「ガリレオ」。
原作:東野圭吾探偵ガリレオ」et「予知夢」。脚本:松本欧太郎。音楽:福山雅治菅野祐悟。主題歌:KOH+「KISSして」。演出:西谷弘。第六章。
帝都大理工学部物理学科準教授の湯川学(福山雅治)は、謎めいた事件を解明し解決に導いたあと、刑事の内海薫(柴咲コウ)に対し「物理と関係のない事件は、これきりにしてくれ」と云った。
確かに彼の云う通り、今回の事件は、探究心と推理力を要したのは間違いないが、物理学を必要とはしてはいなかったと見受ける。水面に文字の書かれた状態というのはそれ自体は「物理的」現象ではある(心理的現象でもなければ芸術的現象でもなく、道徳的現象でもなく、恐らくは「物理的」=自然学的現象でしかない)という意味では、物理学的=自然学的に説明され得る現象ではあるだろうが、物理学の説明方式を用いなければ解明され得ないような性質の現象であるわけでもなさそうだ。
ここで視聴者に謎を提供するのは、極度に冷房を効かせていたらしい警察の車両の、結露に曇っていた窓ガラスに彼の書いていた数多くの数式が果たして何を導出するためのものだったのか?ということだ。あれによって何を解こうとしていたのか。何を解くためにあれを書かなければならなかったのか。あの時点では彼は、何か物理学的に考察すべき課題を想定していたのだろうか。