仮面ライダー電王第四十一話

テレビ朝日系「仮面ライダー電王」。石田秀範演出。第四十一回「キャンディ・スキャンダル」。
季節は夏から冬へ意向したが、桜井侑斗(中村優一)とデネブ(声:大塚芳忠)は今も野外で生活していたのか。公園の展望台みたいなところに調理具等の身の回りの品を置いて食事を摂り、布団を敷いて寝ていた。寒そうだ。そして寝ていた侑斗の身体に憑依したデネブは夜の街へ出かけ、美味のデネブキャンディを配りながら「桜井侑斗をよろしく」の宣伝活動に邁進。こうして宣伝して多くの人々に彼のことを記憶させておけば、今後どれだけ闘って、彼に関する人々の記憶をどれだけ消費しようとも復活できると云うわけなのか。よい考えだが、単なるキャンディ配りの少年というだけでは弱い。芸能事務所ナベプロD-BOYSにでも入って「美味學院」にでも出演するのが最も効果的であるはずだが、そういう展開はあり得ない。今回の彼は、野上良太郎佐藤健)とともに買物帰りで道を歩いていた野上愛理(松本若菜)から荷物を奪った犯人を捕らえ、荷物を取り返した。愛理は感謝していた。強烈な印象を与えたに相違ない。彼の名を愛理が尋ねたとき、良太郎が横から「侑斗だよ!」と教えてしまい、それで愛理は彼を「良太郎の御友達?」と認識してしまったが、もし良太郎が黙っていれば案外これは愛理にとって素敵な運命の人との出会いの瞬間だったのかもしれないのだ。これまで生じてきた事件の全てを解消して全ての難問を一挙に解決してしまうような展開が何か打ち出されない限り、侑斗に「できること」は、愛理との出会いと愛の深まりを根気強く何度でも繰り返すこと以外にないのではないだろうか。