有閑倶楽部第七話

日本テレビ系。火曜ドラマ「有閑倶楽部」。
原作:一条ゆかり。脚本:江頭美智留。主題歌:KAT-TUN「Keep the faith」。演出:高橋秀明。第七話。
松竹梅魅録(赤西仁)が機械イジリをしているときの顔は、普段このドラマで普通に見せる無気力な顔よりもよかった。表情に合う行為を正しく選んだ結果と見られようか。他方、剣菱悠理(美波)の運搬する食料と水を入れた段ボール箱の中から出てきたときの彼の顔は、あたかも捨てられた小犬のような風情を狙ってのものかと疑わせた。制作者にそのような意図がなくとも、そのような意図の存在を感じさせずにはいなかった一瞬だったと云えるだろう。それにしても、有閑階級の子女で、文字通り暇を持て余しているような少年たちが、熱い友情(「ダチ」への思い)のために行動するというのがこのドラマの基本路線であると要約できそうだが、私的に気に入らないのは、「有閑」という要素と「ダチ」という要素との間の云わば食い合わせの悪さ。原作それ自体がそのような物語であるのかどうかを知らないが、少なくともこのドラマを見ている限り、物語世界の設定自体に違和感を抱くのを禁じ得ない。
キール王国の王太子カサルを演じたのは賀軍翔=マイク・ハーという台湾のアイドル俳優だそうだが、単にカタコト日本語を用いる美形の外国人役ということであれば日本人の藤木直人でも不可ではなかったろう。