薔薇のない花屋第二話

フジテレビ系。月九ドラマ「薔薇のない花屋」。
脚本:野島伸司。主題歌:山下達郎「ずっと一緒さ」。プロデュース:関卓也稲田秀樹共同テレビ)。第二話。演出:中江功
汐見英治(香取慎吾)の家に居候を始めた工藤直哉(松田翔太)は、白戸美桜(竹内結子)と同じく、病院長の安西輝夫(三浦友和)によって汐見の許へ送り込まれた云わば工作員だった。白戸の任務が汐見を誘惑して不幸に陥れることであるのに対し、工藤の任務は汐見の様子や身辺を調査すると同時に白戸の状況を監視して全てを安西へ報告すること。だが、工藤の活動は独自性をも帯びてきている。安西のために働きつつ、同時に安西についても関心を抱き始めているかに見えるのだ。こうして彼は、視聴者のための恰好のドラマ案内役でもあり得ている。もっとも汐見にも陰影があり二重性がある。彼は「お花屋さん」と呼ばれることにこの上ない幸福を感じると云った。換言すれば、彼のこれまでの歩みが、「お花屋さん」という綺麗な呼び名の似つかわしくないような人生だったということだろう。ところで、安西は白戸に演技を指導するにあたり「これはゲームなのだ」みたいなことを語った。野島伸司にはゲームという語への愛着があるようだ。