仮面ライダーキバ第十六話

東映仮面ライダーキバ」。井上敏樹脚本。長石多可男演出。
第十六話「プレイヤー-非情のルール」。
記憶喪失の人「大ちゃん」ことファンガイアの精鋭チェックメイト4のルーク(高原知秀)は、仮面ライダーキバに変身した紅渡(瀬戸康史D-BOYS])の姿を見て云った。「おまえがキバを受け継ぎし者!」と。この言は、二十二年前に既に、仮面ライダーイクサ以外に、仮面ライダーキバが出現していたことを物語る。
二十二年前。紅音也(武田航平PureBOYS])はこれまで対立し続けている次狼(松田賢二)に誘われ、麻生ゆり(高橋優)のため、麻生ゆりの母の敵討ちとしてルークを打倒するという目的を共有し、奇妙な共闘を始めた。とはいえルークはウルフェン族を滅亡の危機に追い込んだ張本人であり、次狼自身にとっても憎い敵に他ならなかった。この共闘の誘いは実のところ、自身の敵討ちのために紅音也を利用すべく、麻生ゆりの名を利用したものとも云える。紅音也は騙されているのだろうか。他方、それから二十二年後にあたる今日、名護啓介(加藤慶祐)の仮面ライダーイクサ強化版は工事現場の如し。あれは恐らく、格好よいものとして登場しているわけではないと思う。