仮面ライダーキバ第三十話&第三十一話

東映仮面ライダーキバ」。
第三十話「開演-キバの正体」&第三十一話「喝采-母に捧げる変身」。井上敏樹脚本。石田秀範演出。
紅音也(武田航平)は、麻生ゆり(高橋優)になり代わりファンガイアのチェックメイトフォオのルーク(高原知秀)を倒すべく、三匹の化け物、次狼(松田賢二)とラモン(小越勇輝)とリキ(滝川英治)とともに協力関係を結んだ。第三十話の最後に彼等四人衆がルークに対峙する場面があって、さて、その後どうなったかと思えば第三十一話の冒頭、やられて傷だらけになった四人衆を麻生ゆりが手当てする場面があり、音也は「全く情けないなあ、化け物のくせに」とほかの四人をからかっていた。しかし麻生ゆりは一つの作戦を思い付き、それに乗って再度、五人でルークを攻撃。このとき音也から借りたイクサで変身した麻生ゆりがルークの肩に与えた致命傷が、二十二年後、娘の麻生恵(柳沢なな)が、同じように名護啓介(加藤慶祐)から借りたイクサで変身してルークを最終的に打倒する際の、打つべき急所となった展開は面白かった。
それに先立ち過去における紅音也の変身と現在における名護啓介の変身とが二十二年の歳月を隔てて重なり合ったところもよかった。名護啓介の奇妙な冒険とも云うべき時間旅行の際、たった一度だけ出会ったに過ぎない二人の英雄が、こうして今なお響き合い、繋がっているのだ。
ファンガイアのビショップ(村田充)が鈴木深央(芳賀優里亜)等を迎えた巨大な洋館の壮麗な帝王階段のある空間は、独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館、本館の玄関に他ならない。