六月放送イケイケイケメンパラダイスについて再び

初夏六月から晩夏九月にかけてTBS系「明石家さんちゃんねる」の一企画として断続的に放送された「イケイケイケメンパラダイス」をCDに保管しながら改めて見るに、やはり真に面白かったのは、第一弾である六月四日放送の回とその続編である六月十一日放送の回のみであると評するしかない。「若手イケメン俳優」の顔触れが一番よいと思うし、何よりも彼等が余りガツガツしていなくて自然なのも好ましい。第一弾(特に片岡信和の衝撃)の反響が余りにも大きかったのか、後続の出演者たちが少々ムリをしているかのようにも見えたのは、ことによると、番組制作者側が第一弾の設定を第二弾以降で繰り返そうとした結果だろうか。
私的にはどうしても南圭介古原靖久、片岡信和、武田航平等に注目しがちなのだが、改めて見ると他の出演者たちも皆それぞれ楽しい。高木万平高木心平の高木兄弟は、何気ない遣り取りの中でも不意に完全に息の合ったところを見せるあたり、マナカナ姉妹にも劣らぬ双子タレント性を発揮したと云えるし、山田優の弟の山田親太郎が、あれだけ派手な顔なのに意外に地味な雰囲気を醸し出しているのもよい。「大正浪漫」こと崎本大海が、恐らくは人々を笑わせようとして狙ったことの殆ど全てにおいて、悉く外しまくっていたのは最高に笑えた。「気取らない慶應ボーイ」と称しつつ気取ったポーズを取ってみせたのが、ことによると唯一、狙い通りに笑いを取り得た例と云えるだろうか(狙っていたのだとすればの話)。織田裕二の物真似をする山本高広の物真似をして崎本大海が失敗したあと中村蒼が同じことを急遽やらされて意外に上手かったという展開は、崎本大海の強運を物語る。中村蒼佐野和真はともに幼さの残る顔立ちの十歳代の少年であることから似たような扱いを受けていたが、両名の印象は実は正反対だろう。佐野和真には「ああ見えても意外に…」と思わせる気配があり、中村蒼にはそんな風には思わせない気配がある。もちろん実態なんか知らないし、何れに思わせる方が俳優として好ましいのかも知らない。