月九イノセントラヴ第二話

フジテレビ系。月九ドラマ「イノセント・ラヴ」。
脚本:浅野妙子。音楽:菅野祐悟MAYUKO。主題歌:宇多田ヒカル「Eternally-Drama Mix-」。プロデュース:中野利幸。演出:加藤裕将。第二話。
今宵の第二話で最も見応えのあった場面は、瀬川昴(成宮寛貴)が写真の一部を隠して見詰めていたところだろう。彼と長崎殉也(北川悠仁[ゆず])と遠野聖花(内田有紀)の三人で撮影した写真の、聖花の部分だけを隠した場面だ。彼の内面の複雑な苦悩をよく表している(ように見える)。
さて、視聴者を欺くかのような罠のような描写に満ちたドラマではあるが、今宵の時点で既に幾つかの謎が解き明かされつつあるようにも見える。しかし油断してはならない。まだ二話だからだ。現時点で解き明かされたかに見えることが、最終回の間際に覆される可能性もないとは云えない。
ともあれ、視聴者としては、物語の進展してゆく中で見えてきたことをその都度一つ一つ確認してゆく以外に道はない。挙げてゆこう。
(一)瀬川昴は長崎殉也を愛している。ゆえに(二)殉也の愛を何時までも独占し続けている所謂植物状態の遠野聖花を憎み、死んで欲しいとさえ思っている。
しかるに驚くべきことに(三)聖花は、実は所謂植物状態ではないのかもしれない。だが、そうであれば聖花は所謂植物状態を偽装する難しい芝居を続ける苦行に、三年間も耐えていることになる。このためには、殉也の家の「開かずの間」に来ていたあの医師をも欺かなければならないはずだが、或いはあの医師も共犯関係にあるのか。
(四)獄中の秋山耀司(福士誠治)が放火と殺人に関して冤罪である可能性がある。だが、そうであれば真犯人が妹の秋山佳音(堀北真希)である可能性も出てくる。そして兄が妹をかばっているとすれば、それは尋常ではない愛のゆえであると想定することができる。
(五)秋山佳音は、いよいよ尋常ではない。驚くべき正体を表し始めた。前回の第一話だけ見ても、アカの他人を携帯電話カメラで盗撮したり、アカの他人の写真を盗んだり等の少々異常な行動を取っていたが、今回の第二話に至っては、他人の家に勝手に上がり込んだり、他人の家にある服の匂いを嗅いで喜んだり、他人の家の冷蔵庫内の食材で勝手に調理をしたり、他人の家の窓の中を覗き込んだりしていた。今ここに列挙した「他人の家」とは全て長崎殉也の家のことであり、佳音の頭の中では、もはやアカの他人ではないどころか早くも恋人にでもなったつもりだったのか知らないが、客観的に見るなら、これらの行動は「ストーカー」と形容されよう。