渡る世間は鬼ばかり第三十三話

TBS系。橋田寿賀子ドラマ「橋田寿賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり」。
作(脚本):橋田寿賀子。音楽:羽田健太郎。ナレーション:石坂浩二。演出:荒井光明。プロデューサー:石井ふく子。第九部第三十三話。
小島久子(沢田雅美)が、洗濯代行業「らくらく」の思いのほかの大繁盛を受けて、もっと広い店舗を開設してそこを本店とすることに決し、併せてその店の入るビルの二階を新たな居所とし、同時に洗濯代行業をともに経営する元夫の山下健治(岸田敏志)と再婚してそこに同居する考えであることを表明したのは先週のことだったろう。今週はその実行の始まりの日。このところ仲のよかった往年の天敵、野々下加津(宇野なおみ)に別れを告げ、そして亡き母にも別れを告げて小島家ラーメン店「幸楽」のあるビルの二階の小島邸をあとにした。
ここで気になるのは、久子が「らくらく」の店舗の増設、業の拡大を企てることができたのは新たな出資者を得たことにあるようなのだが、その出資者は一体どういう人物なのか?という点だろう。これに関連して、Yahooニュースにおける昨日朝八時配信の「“渡鬼”に金融危機、「幸楽」が倒産!?」という記事を見ておこう。記事によると橋田壽賀子八十三歳は現在放送中の第九編の最終回に向けて話を盛り上げるための「新たな火種」として「企業倒産がいかに家族を崩壊させるか」という主題を考案中なのだそうだ。
URL「http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081119-00000010-sanspo-ent」。
記事では金融危機による幸楽の倒産の危機の可能性に触れているが、このドラマに登場する複数の企業の中で金融危機に最も影響を受け易いのは大井精機ではないかと思われる。実際、大井精機が倒産すれば話は大いに盛り上がるに相違ない。セレブ気取りの社長夫人、大井直子(夏樹陽子)はどう行動するのか?大井貴子(清水由紀)と小島眞(えなりかずき)との結婚を前提した交際はどうなるのか?等、云わば「華麗なる一族」の崩壊とでも要約できそうなドラマティクな話が発生し得るだろう。しかし久子への出資者が何者であるかによっては「らくらく」こそが犠牲になる可能性もあるのだ。