ブラッディ・マンデイ第九話

TBS系。土曜ドラマブラッディ・マンデイ」。
原作:(作)龍門諒&(画)恵広史。脚本:渡辺雄介。主題歌:flumpool「Over the rain ひかりの橋」。音楽:井筒昭雄。音楽プロデュース:志田博英。プロデューサー:蒔田光治&神戸明&樋口優香。製作:東宝&TBS。演出:波多野貴文。第九話。
テロリスト集団=カルト教団によるウィルスを用いた大量殺戮の計画、「最後の月曜日」作戦の前夜と、当日の朝の、実行部隊の連中の素顔が少し描かれた。日常を過ごしているアジトの殺風景な空間とは大違いの立派なホテルで寛ぐ者や、レストランで乾杯をしていた二人組。不良にからまれても陽気に笑っていられる者。皆それぞれ気分がよさそうだ。でも、交通渋滞に巻き込まれると不安になるし、警察を見ると少し身構える。小さな子どもと老人に親切にされると、彼等だけは助けてやりたいとも思ってしまう。意外に素顔は平凡で善良な奴等なのか。眼前の子どもを助けたくなるのは彼等にも心があることの証明だが、ウィルスを用いた作戦は眼前にいない多くの人々を殺害することであり、それは眼前の人々を殺すに等しいのだということを、彼等は想像しようともしないのだろうか。
彼等の中の一人は、何千人もの生命を一挙に奪い得る大きな力を得たことに舞い上がり、作戦の中止を告げるブルーバード(山口龍人)からの電話連絡に耳を貸さなかった。ブルーバードからの連絡というのは、ブルーバードを寵愛するテロリスト集団の指導者「J」こと神崎潤(成宮寛貴[特別出演])からの命令であること位、彼も知らなかったはずはない。テロリスト集団それ自体がそもそも狂気の集団ではあるが、あの男はその水準をもさらに突き抜けて正気を失ってしまったのだ。
サードアイ(正式名称「警察庁警備局公安特殊三課」)は「ファルコン」こと高木藤丸(三浦春馬)の助けがなくてはテロリスト相手に手も脚も出ない組織だが、公安特殊三課長の鎌田淳一郎(斎藤歩)にはその自覚が全くない。だからファルコンの失敗に対しては容赦なく「何やってんだ!」とヒステリックに怒鳴る。霧島悟郎(吉沢悠)が有能であるのは、ファルコンを起用して使いこなせる点にある。