NHKブラタモリ

先月放送される予定だったNHK総合の深夜番組「ブラタモリ」が今宵ついに放送された。タモリが明治期や江戸時代の古地図を見ながら現代の原宿や渋谷を歩き、古い江戸東京の名残を探索するという趣旨の番組で、その趣は云わばNHK版「タモリ倶楽部」。実に面白かった。大正時代の明治神宮の周辺の様子を伝える貴重な映像や写真も数多く映され、また、昔をよく知る古老の証言もあり、この番組それ自体が貴重な資料になり得る。録画しておいたので高画質で保存しておこう。
それにしても、江戸の名残を濃厚に留めていた明治大正の東京の街並が大きく変貌したのが一九六四年の東京オリンピック開催へ向けた大改造の時代だったことは広く知られているし、市川崑監督の映画「東京オリンピック」の冒頭にもそのことが印象深く表現されているが、この番組はその大改造の具体例を、現状の「痕跡」を通して示した点でも興味深かった。また、原宿の周辺に固有の事情として、そもそも明治神宮の造営こそが地域の大改造の始まりであり、幾多の再開発を経た今でも当時のその名残を留めている程であることが明かされたのも極めて興味深かった。

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