新番組=月九ドラマ瑛太主演ヴォイス

今宵からの新番組。
フジテレビ系。月九ドラマ「ヴォイス 命なき者の声」。
脚本:金子茂樹。音楽:吉川慶&Audio Highs。主題歌:GReeeeN「刹那」。プロデューサー:瀧山麻土香&東康之。制作:フジテレビドラマ制作センター。演出:成田岳。第一話。
テレヴィドラマ視聴者の関心を惹き易い二大領域とも云える「医療ドラマ」と「刑事ドラマ」を併せ持ち得るのが、現状のドラマ界において激戦区ではない領域「法医学ドラマ」であるとすれば、そこに「青春ドラマ」「青春群像劇」をも兼ねたのがこのドラマであると云えるかもしれない。だが、今宵の第一話を見る限り、肝心の「法医学」の要素が余りにも希薄になってしまっている。医学的な実証は殆どなく、警察の出る幕もない。ただ学生たちが想像力(「イマジネイション」)を働かせているだけ。推理ドラマに過ぎない。
実のところ、その推理にも説明の足りていない部分がある。例えば、体重30kg位の少年が10m以上の高さから落ちてきたのを受け止めた場合の重さは、単に30kgの少年を持ち上げた場合の重さとは全く異なるのではないかと思われるが、その辺は推理に含まれていたろうか。「ガリレオ」における物理学者の湯川学(福山雅治)であれば当然その辺を計算したことだろう。東凛大学医学部の学生、加地大己(瑛太)も閃きの瞬間、どこかに数式でも書いて計算しておくべきではなかったか。
結局、彼をはじめとする「法医学ゼミ」の学生たちが最も輝いて見える舞台が現時点においては、大学医学部の法医学研究室ではなく、羽井彰(佐藤智仁)の実家の沖縄料理店であるという点に、このドラマの性格が表れているように思われる。
十五年前、八歳のときの加地大己を演じる子役は、今年のNHK大河ドラマ天地人」で先の日曜日まで直江兼続五歳のときの樋口与六を演じていた加藤清史郎であるとのこと。彼は将来、妻夫木聡瑛太の何れかの容姿に近付いてくるのだろうか。