半田健人主演テレビ愛媛開局四十周年記念番組-歴史ロマン紀行よみがえる龍馬の夢

夕方三時からの特別番組。
テレビ愛媛開局40周年記念番組「歴史ロマン紀行 よみがえる龍馬の夢 日本の夜明けは愛媛から始まった!?」。
テレビ愛媛高知さんさんテレビで放送された番組。案内役(司会)をつとめたのは、昭和文化研究家としても知られる今や大人気の俳優、半田健人坂本龍馬の、土佐から伊予大洲藩長浜に至る所謂「脱藩の道」をたどりながら、幾つかの謎を解明してゆこうという趣旨。その合間には、坂本龍馬が二〇〇九年の松山に出現し、「エコ」に取り組んでいる企業や発明家を訪ね歩くという企画もあり、「脱藩の道」として知られる土佐から伊予にかけての自然が今なお百五十年前の面影を伝えていることをも述べていた。案内役の半田健人は自ら坂本龍馬に扮し、「脱藩の道」を歩いたり、現代の松山大街道を歩いたり。この案内役&坂本龍馬役に半田健人を起用したのが正解だったことは、「脱藩の道」の途上の愛媛県大洲市河辺村にある御幸の橋に関する彼の発言の説得力によって証明されよう。愛媛県指定有形文化財のこの橋は世に稀な屋根付きの橋であり、約十年前、映画「マディソン郡の橋」が世界中の話題を席捲するや、劇中の屋根付き橋によく似ていることから日本の「マディソン郡の橋」と形容され、海外にも知られるようになったが、このことについて半田健人は少々苦言を呈したのだ。「龍馬の橋」と呼んだ方がはるかに風格があるのに…と。だが、この(台本に記された通りに相違ない)台詞も、他の若手男子俳優が云ったのでは説得力がなかったろう。昭和の高層建築物や音楽について詳しいのみか明晰に言語化して解説し得る程の半田健人だからこそ、この台詞も血の通ったものになり得たと云えるし、低音の声に力があるのも説得力を高めている。愛媛と高知でしか放送されない地方番組なので東京のタモリに見てもらえないのは残念なこと。