RESCUE特別高度救助隊第四話

TBS系。ドラマ「RESCUE 特別高度救助隊」。第四話。
脚本:八津弘幸。音楽:羽岡佳。主題歌:KAT-TUN「RESCUE」。プロデューサー:加藤章一佐藤敦司。製作:ドリマックス・テレビジョン&TBS。演出:松田礼人。
訓練篇が終了し、来週からは救助篇が始まる。
横浜市安全管理局において「スーパーレンジャー」=特別高度救助隊への異動を希望していた訓練生=救助隊員の処遇については、不動雅志(山本裕典)と手塚豊(増田貴久)が合格とされて、特別高度救助隊への正式の入隊を命じられ、北島大地(中丸雄一)も特例措置として仮入隊を命じられた。この人事について横浜市消防訓練センター訓練課長の大八木誠司(山下真司)が横浜市役所本庁舎内で安全管理局長の真田隆正(夏八木勲[特別出演])と安全管理局警防部警防課管理官の芹沢忍(石橋凌)に対して説明した意図は、明晰だったと云えるだろう。救助隊員としての判断力や行動力において抜きん出ていたのが不動。救助隊員としての能力に加えて公務員としての調整や管理においても優れていたのが手塚。しかるに不動は一匹狼で、集団の一員としての協調性に欠け、手塚は保守的で、爆発的な行動力に欠ける。両名の欠点を補い得るのが北島に他ならないというわけだった。なるほど、スーパーレンジャーにおける将来の編成等(管理職の登用等も含めた)をも視野に入れた上での人事だったと解されよう。
他の四名についても新たな異動先が内示された。もともと何十名もいた訓練生は皆が市の正職員としての消防隊員だったが、訓練期間の最後まで各消防署への帰庁を命じられなかった合格者七名は一斉に救助隊員への配置換えを命じられたので、特別高度救助隊には任命されなかった四名も、かつて所属した消防署へ帰るということにはならなかった。新たな配属先は、井川省吾(石黒英雄)は航空隊、小日向剛(大東俊介)は山下町救助隊、岸龍太郎(加治将樹)は浅間町救助隊、須崎修(山田親太朗)は水難救助隊に決定されたと発表された。
ここで不図、救助篇の冒頭、第一話を想起する。危険な事故の多発する横浜市の安全を守るため、特別高度救助隊員を増員すべし!と芹沢管理官が発議したことがこの物語の発端だったわけだが、結果としては、特別高度救助隊員三名、救助隊員四名の増員を実現したのだ。このことの意味を少し考えておこう。
芹沢管理官が増員を要求したとき、指令本部長の本間雄彦(矢島健一)は難色を示したが、真田安全管理局長の判断で増員を実施するに至った。もちろん独断で決定できたはずはない。真田局長の指示により局の人事担当者や予算担当者が市の行政運営調整局との間で調整を行い、同局長、副市長、市長の決裁を得なければならなかったに相違ない。とんでもなく大変な作業だったはずだ。本間指令本部長が難色を示すのは無理もない。特別高度救助隊員に合格できるのは二名だけだ!という大八木課長の告知は、特別高度救助隊員の増員が二名分だけ認められたということを物語るが、同時に、救助隊員の増員も六名は認められていたことをも含意していよう。なぜなら訓練生の中から救助隊員に合格したのは、古賀敏也(浅利陽介)も含めて八名だったからだ。これは逆に云えば消防隊員が八名も欠員になるということであり、恐らくは新たに消防隊員八名分の新規採用試験が行われたはずなのだ。だが、市職員の定数を八名も増員したとすれば、市議会の議決が必要だったことだろう。もちろん真田局長は議会において増員の必要性を強く訴えたことだろう。