旅行記一-国立西洋美術館

五連休の三日目。旅行記一。
連休の恒例として今年も博物館見物の旅行に出かけたいという考えは予てあったものの、今年は例年以上にホテルの空室がなくて、本来なら遅くとも昨日からは出立して三泊四日の旅行にしたかったところを実際には本日からの二泊三日にする他なく、ゆえに今年は旅行を断念しようかとも思っていたが、色々思案の末、東京へ行くことに決定。できれば朝十一時四十五分の飛行機に乗りたかったが、起床したのが十時頃だったので一便遅らせ、昼二時二十五分の飛行機で松山空港を発ち、四時頃に羽田空港に到着。JR品川駅を経由して御徒町駅で降りて、御徒町にあるホテルに入り荷物を置いた上で徒歩で上野恩賜公園へ。
国立西洋美術館で開催中の「ルーヴル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画」を観照した。この連休の期間中は夜七時まで開館しているのだが、流石に入場希望者が多くて入口まで長い行列ができていて、入場まで三十分間も待たなければならなかった。会場に入ったあとも人が多過ぎて思うようには観照できなかったのは予想通りだが、展示室内が狭いこともあって会場内を動き回ることもできないのには弱った。
それでも、ニコラ・プッサンの「川から救われるモーゼ」をはじめ、レンブラント・ファン・レインの「縁なし帽を被り、金の鎖を付けた自画像」や、ヨハネス・フェルメールの「レースを編む女」、クロード・ロランの「クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス」、ディエゴ・ベラスケスと工房の「王女マルガリータの肖像」、作者不詳(原作:フランス・ハルス)の「ルネ・デカルトの肖像」、アントーン・ファン・ダイクの「プファルツ選帝侯の息子たち」、ペーテル・パウルルーベンスの「ユノに欺かれるイクシオン」、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「大工ヨセフ」等の名作については、なるべく作品の直ぐ前まで近付いて、時間をかけて観照することを得た。閉館時間に館を出て、庭にあるロダンの彫刻群が闇の中に照らし出されているのを暫し眺めてから門外へ出た。ここの常設展示室については明日の夜にでも観にゆこう。
上野恩賜公園からパンダ橋を通って不忍口側へ渡り、駅前のレストラン聚楽で夕食。明日は忙しく観照して回りたい。
深夜、テレヴィを見ていたらNHK衛星第二放送で「プロフェッショナル-仕事の流儀」という番組で「国宝を運ぶ“現代の名工文化財輸送海老名和朗」と題して、興福寺の国宝「阿修羅像」の輸送のことを取り上げていた。明日も上野恩賜公園は大混雑になりそうだと思った。