ブラタモリ第四回=銀座

NHK総合ブラタモリ」。第四回「銀座」。
東京銀座を貫く「銀座通」こと東海道に今も残る微妙な高低差は、かつて同地が前島と呼ばれる半島だったことの名残。この番組においてタモリはその高低差を「前島坂」と名付けた。
銀座は江戸城下の由緒ある街であるだけに、今や現代の大都会にしか見えない外観の至る処に過去の痕跡を留めていた。古地図にも記される朝日稲荷神社が、高層建築の一階に拝殿のみを残しつつ本殿をその屋上に祀られることによって確と鎮座し続けておられたり、明治の煉瓦街が造られたとき住民の居住空間をその裏に隠しつつ確保すべく設けられた路地が、大きな通に面して並んでいる高層建築群の隙間に今なお残っていたり。中でも興味深い事実は、路地が途中で喫茶店に遮られ、あたかも行き止まりのようになりながらも、逆にその店内を突き抜けるようにしてさらに伸びて、反対側の大通へ貫き通っていたこと。
路地の途中の一部を占める私有地の上に建物を造ってその喫茶店が開かれようとしたとき、由緒ある路地を何とか残して欲しいと嘆願したのは地元の古くからの住人たちだったとか。街が近代化してゆく中で何とかして古い時代の痕跡を保存しようとした人々の努力には敬服のほかない。