三浦春馬サムライ・ハイスクール第四話/小公女セイラ第四話の林遣都

日本テレビ系。土曜ドラマサムライ・ハイスクール」。第四話。
脚本:井上由美子。音楽:菅野祐悟。チーフプロデューサー:櫨山裕子。プロデューサー:荻野哲弘&内山雅博。企画協力&プロデューサー:山口雅俊。制作協力:オフィスクレッシェンド。演出:猪股隆一
サムライ高校生の望月小太郎(三浦春馬)は今回は、街の小さな文房具店を脅迫する強暴な悪徳金融業者の集団を相手に、その店にあった竹刀と定規の二刀流で颯爽と華麗な大立ち回り。このまま時代劇に出ても差し支えなかろうと思える程の力強さで、これを見ることができただけでも今宵の第四話には満足できる。
もっとも、たとえ謎のサムライ高校生に撃退されたところで悪徳金融業者の暴力団連中があのまま引き下がるわけもない。小清水孝一(日野陽仁)と小清水恵美子(宮地雅子)の夫妻の営んでいるあの文房具店は一体どうなるのだろうか?と思っていたところ、なるほど、不登校中であるとはいえ小太郎の同級生でもある小清水家の一人子、小清水和也(濱田岳)が高校を正式に退学し、家計を助けるべく働くことを決意したのだ。
かつては校内屈指の優等生だったのが、家の近所の小学校の廃校に因り家業の文房具店が衰えたのを機に勉学に身を入れ難くなって遂には不登校生となっていた小清水和也は、サムライ高校生から言と行動で授けられた鑑戒を胸に抱き、働きながら勉学を続けて、やがては自分なりの人生の進路、進学の意味を見出した暁に、大学入学資格検定高等学校卒業程度認定試験)を受験する意を決した。
このドラマは現代の高校生がサムライに変身する物語であって時代劇ではないから、「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」のような快刀乱麻を断つが如き痛快な事態の好転はあり得ない。しかし小清水一家は必ずや苦難を乗り越えるだろうこと、和也少年も確り立ち直って、よい大学へ進んでゆくだろうことを視聴者は予感することができる。そういう結末だった。
他方、TBS系の土曜ドラマ小公女セイラ」における林遣都は、今宵、本当の思いを胸中に秘めて健気に働いた主人公に、ささやかながらその夢を果たさせた。このドラマにおける彼が美しいのは、貴公子の顔をしているのに役割は奴隷のような労働者で、それでいて心は顔に似て確かに貴公子のようであるからに他ならない。