NHKとめはね第六話=最終回

NHKドラマ8とめはねっ!鈴里高校書道部」。第六話=最終回。
大江縁(池松壮亮)と、四国へ去り行く望月結希(朝倉あき)との別れのとき。精神は強くとも体は弱く気も弱い大江縁は、望月結希への愛を幾度も告白しようとしながらも結局は告白できないままだったが、望月結希が手渡した手紙は事実上の愛の告白だったと解してよいだろう。なぜなら大江縁への様々な感謝の思いを綴った手紙の最後に大きな「○」を書いたのは、「望月さんの書いた○が好き」と云ってくれた大江縁への「好き」という思いを表したものであると思われるからだ。
書道甲子園の書道パフォーマンス大会における鈴里高等学校書道部の大躍進に、鵠沼学園書道部長の日野よしみ(奈津子)が、初めて彼等を対等な競争相手として認めるかのように「やるじゃない?あいつら。わたしの闘争心に本気で火をつけたわ」と云ったとき、同部のエース、一年生の勅使河原亮(中村倫也)が「よいライヴァルがいると、頑張ろうって思いますよね」と応じたのは、望月結希に失恋した彼が鈴里高校との関係において今や新たな段階に入ろうとしていることを物語っていよう。日野よしみの最大のライヴァルが鈴里高校書道部長である双子の姉、日野ひろみ(亜希子)であるのと同じように、勅使河原亮もまた、最大のライヴァルとして大江縁を見出しているのは間違いないからだ。もはや恋敵ではなく、純粋に書芸術を競い合うべき仲間として。
望月結希は、母とともに祖母を見守るため、母の実家のある四国へ去った。転校先は「愛媛県立伊予女子高等学校」。これは多分、四国中央市三島(旧伊予三島市)にある愛媛県立三島高等学校のことだろう。同校を書道の名門校に育て上げたと云われる教師は、三輪田米山の書の研究者で、現在は福岡教育大学准教授になっているかと思う。