ホンマでっか?!TVの放送時間の移動について
月曜の深夜十一時頃から放送されるフジテレビ系「ホンマでっか?!TV」の放送時間は、来月下旬以降、水曜夜九時へ移行するとのことだが、これは徒に番組の寿命を縮めることになりはしないだろうか。遠い昔、長年にわたりフジテレビを代表する人気番組だった「タイムボカンシリーズ」も時間帯の移動に伴って失速し呆気なく打ち切りの憂き目を見たという故事もあるが、この種の不幸は相変わらず何の反省もなく各社それぞれに繰り返されている。
この番組の母体と云われる「ホンマでっか?!ニュース」も、深夜番組ではないにしても不定期の特別番組であるから、過激な説からどうでもよいような話題まで、少々無茶な内容の話題を取り上げても通用するのだろう。現行のこの番組の場合、深夜の三十分番組であるからこそ変な話題や薄い説明をも濃く見せることができるのだろうし、話題と説明が足りないまま週一度の放送を終えることによって視聴者の飢餓感を煽ることもできるのだろう。時間帯の移動は放送時間の二倍近い延長をも伴うはずであるし、内容の改変も伴うかもしれない。極めて不安だ。
実のところは現時点でも、人材や話題の不足が露呈しつつある。どんな評論家でも、どんな話題でも、明石家さんまの話術があれば面白く料理できる!と番組制作者は信じているのだろうし、確かに現行のこの番組はそんな感じになりつつあるが、本来この番組が備えていた固有の面白さは池田清彦・武田邦彦・澤口俊之のような人材を得てこそ成り立つものだったことを想起しておいて欲しいものだと思わずにはいられない。