ホタルノヒカリ2第十話

日本テレビ系。水曜ドラマ「ホタルノヒカリ2」。第十話。
雨宮蛍(綾瀬はるか)に対する瀬乃和馬(向井理)の怒りは、一応は理解に値するし、共感にも値する。雨宮蛍に対する瀬乃和馬の好意を知っておきながら敢えて瀬乃和馬に好意を抱く桜木美香(臼田あさ美)と瀬乃和馬とを結び付けようとした雨宮蛍の行為が余りにも無神経であることは間違いない。だが、それでもなお、彼の言い分には致命的に理不尽な面がある。彼の思いを「受け止められない」でいる雨宮蛍には、「部長」高野誠一(藤木直人)の思いも受け止めることなんかできてはいないのではないか?と云ったのだが、これは云ってはならないことだろう。なぜなら彼もまた、雨宮蛍が一体どのような「思い」を抱いて日々行動しているのかを、全く受け止めることができてはいないからだ。雨宮蛍を受け止め続けてきた高野誠一との対比においてそのことは明白だ。
高野誠一の完璧主義的に几帳面、生真面目な生活の姿勢が、幼時からの家庭の躾によって成ったものではなく、むしろその正反対に、唯一の肉親である父親の余りにも気ままで自由奔放な放浪の人生への反発から、彼が自ら鍛え上げて成したものであることは、当の父親である吟遊詩人の高野盆太郎(石坂浩二)によって語られるまでもなく、この吟遊詩人の行為を見れば一目瞭然だった。