ギルティ第三話

フジテレビ系(関西テレビ制作)。ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」。第三話。
野上芽衣子(菅野美穂)から脅迫された悪徳弁護士の松永征一(石丸謙二郎)が、指令に従って線路の脇の公衆電話ボックスに入ったとき、その扉の内側には「故障中」の張り紙があった。扉は開放されていたから、扉の形態の性格上、その時点では悪徳弁護士にも視聴者にもその張り紙しか見えていなかったが、裏側には例の「猛毒ガス」の張り紙もあって、現場を目撃していたジャーナリスト堂島基一(唐沢寿明)が初めてそれを見出したのだ。
扉に「故障中」の張り紙をしたのは、肝心のときに他の関係ない者に占拠されることを避けるための措置だったのが明白で、その点は計画的だが、悪徳弁護士があの猛毒ガスの瓶を床に叩き付けて割って計画を成就させるかどうかは、完全に予測できたわけではないだろうし、何よりも計画性を欠いていたと云わざるを得ないのは、悪徳弁護士の携帯電話を公衆電話ボックスの直ぐ外側に放置させてしまった点だ。それを堂島基一が持ち去ったことは今後の展開に大きく関与するに相違ないが、もし彼が現れることなく、或いは現れたとしても携帯電話を発見することがなく、或いは発見したとしても持ち去ることがなかったなら、それは警察によって発見されて、重要な証拠をなしたかもしれない。
この事件の発生を、発生の直後の速報によって知り、それに関する不審な点に気付いて真島拓朗(玉木宏)が直ぐに野上芽衣子に電話をかけたとき、野上芽衣子が泣き出してしまったのはなぜだろうか。所謂モードが変換されたということだろうか。人生を破壊され、復讐に燃える非情の殺人鬼から、新たな人生を始め、恋する女子への変換。