リバウンド第五話

日本テレビ系。水曜ドラマ「リバウンド」第五話。
大場信子（相武紗季）と現在交際している今井太一（速水もこみち）と、かつて交際していた風見研作（勝地涼）との直接対決があった。これは痩せている大場信子しか愛せず太った大場信子を愛せない者と、痩せている大場信子に眩惑されながらも太った大場信子の魅力を知っていて愛している者との対決でもある。
そして太った己を愛せない大場信子は、太った己を愛してくれる元恋人よりも、太った己を断じて許してはくれない現在の恋人を愛している。大場信子と今井太一は太った己を愛せない点で似たもの同士であると同時に、恋の相手が太ることも太っていることも許さない点でも似たもの同士であり、恋人の体型に関するこの不寛容は、云わば自己嫌悪の表出でもある。
彼等、ことに大場信子が常に嘘をつき続けるのは、相手を傷付けたくないからではあるだろうが、やはりあらゆる言動の基底に自己嫌悪が横たわっていることの影響もないわけではないだろう。
風見研作は、太っていた「ブーコ」こと大場信子を愛しながらも、今は痩せてしまった大場信子を助けたり励ましたりしている。驚いたことに、彼は大場信子が今井太一の愛を繋ぎ止めようとしていること自体をも助けようとしてみせたが、同時に、徹夜で仕事に没頭していた大場信子に菓子を差し出し、密かに徐々に太らせようとする悪賢さをも見せたのが面白かった。