楓湖と晴湖と古画備考と銀鶏

休日。添田達嶺の名著『半古と楓湖』(昭和三十年/睦月社)を書庫から久し振りに取り出してきて、その後半の「松本楓湖」に関する部分を所々読み直して門人帳の写に注目し、稲村量平編『奥原晴湖』(昭和四年/喫茶店晴湖出版部/復刻版=平成七年/大空社)を久し振りに所々読み直して、図版として掲載された明治十三年の書画番付に注目し、朝岡興禎著/太田謹補『増訂古画備考』(自弘化二年至嘉永年間著作/明治三十七年版行/復刻版=昭和四十五年/昭和五十八年再版/思文閣出版)の巻三十の周辺を眺めて過ごした一日。神奈川の古書店から届いた平亭銀鶏の書画帖は、書画会粋か何かに基づくかと見受ける明治十九年の復刻版で、しかも数冊あるはずである内の一冊でしかなかったので期待外れ。