ドン★キホーテ第十話

日本テレビ系。土曜ドラマドン★キホーテ」第十話。
城田正孝(松田翔太)は市役所の京浜児童相談所児童福祉司だが、もともとは市役所の土木課に勤務していた。競売にかけられている住宅からの退去の要請のため訪れた家庭で児童が虐待されている気配を察知し、警察に通報してその児童を救出し得たのを機に児童相談所の仕事に興味を持ち始め、定期人事異動で児童相談所へ異動してきたらしい。児童福祉法に定める児童福祉司の資格をどのようにして取得できたのだろうか?という視聴者の率直な疑問には、このドラマは答えてくれそうもない。
一つ明らかであるのは、彼が児童相談所の仕事に強い熱意を持っていたことだろう。反対に、土木課の仕事には大して熱意を持っていなかったのかもしれないとも思える。土木課で働いていたのは、専門分野を具えた技術吏員としてではなかったはずだ。多分、余暇の活動を充実させるため、そしてそのためにも安定した収入を得るため、市役所に行政職の事務吏員として就職したのだろう。仕事それ自体に熱意を持つということとは無縁の人生観を抱いていた彼が、土木課の仕事に従事する中で偶々児童虐待の現場に遭遇し、救出に尽力できたことから、本当にやりたい仕事を見付けてしまったのだ。児童相談所への異動を希望するにあたっては、それに相応しい人材として認められるべく、大いに努力したに相違ないと想像するしかない。
このドラマの第一話では、彼はマニュアル通りにしか物事を見ない人物であるかのように描かれていた。多分、もともと彼はそのような人物だったのだろうが、同時に、児童相談所への異動に際して猛勉強し、急拵えの専門知識を膨大に蓄えた結果、それにからめ捕られてしまっていた面もあったろうか。云わば努力の証だったのだ。