ザ少年倶楽部十月第一回

十月七日の夕方六時から四十五分間、NHK-BSプレミアムで放送された番組「ザ少年倶楽部」の十月第一回を録画しておいたのを見た。
今回の番組の主題は「力(パワー)」だったが、これは意味ありげに見える。これが放映されたのは十月七日であるから、その収録は九月以前だったろうと思われるからだ。これは、九月二十九日に中島健人菊池風磨佐藤勝利松島聡マリウス葉の五名からなる新アイドル集団「Sexy Zone」の結成が公表される直前の、云わば旧体制下のジャニーズJr.の活動の記録になり得ていると想像される。しかもそれが放映されるのは、Sexy Zoneの結成が公表された直後にあたることも予定されていたに相違ない。そのような極めて微妙でしかあり得ない時点において「力」を主題に掲げて番組を構成することは、新体制の樹立へ向け、総力を結集するの意を表していたのではないだろうか。出演者の側にも観者の側にも、覚悟と決意を迫る必要があった回として企画されたのではなかったかとさえ思える。
そう考えるなら、「あなたにお手紙書きましょう!」に登場したのが薮宏太と八乙女光だったのも、両名と同じ役割を担うことになる中島健人菊池風磨への激励の意を具えていたのではなかったか?とさえ妄想されてくる。
今回の番組の開始を告げて今回の番組の主題が「力(パワー)」であることを発表したのが中島健人だったことも重要な意味を持つだろう。しかも彼は白のシャツの上に同じく白のベストを重ねて全身を純白一色で揃えた衣装を着ていたのだ。
一曲目は「Ultra Music Power」。中島健人に続いて佐藤勝利が歌い踊った。佐藤勝利の左手には松島聡、葉マリウス(現在のマリウス葉)、羽生田挙武がいて、右手には倉本郁、神宮寺勇太。六人の中心に佐藤勝利松島聡がいて、両名に続く三人目を倉本郁とマリウス葉が争っているかのような構図とも受け取れる。
続いて登場した紫色の袖なしの衣装を着た集団を構成するのは、岸孝良、アンダーソンケーシー孝、安井謙太郎、高田翔、石川拓哉。増田良のみならず仲田拡輝までも不在であるとは残念。そして所属する集団を喪失した森本慎太郎はHip Hop JUMPに合流した模様。
これに続いて歌い踊られたのは「With You」。新体制を象徴する楽曲と云うも過言ではない。
ところで、この番組では大勢の出演者の内、一部の人々にだけ、画面上に姓名が表示される。一般論として、画面に顔や姿が大きく映し出される人についてだけ姓名が表示されるのであるとも云えるが、大きく映っても姓名が表示されない場合もあるし、大きくは映らなくとも敢えて姓名が表示される場合もあるから、この姓名の表示ということ自体に重要な意味があるのは自明のことだろう。
この「With You」で姓名が表示された人々の姓名を、表示の順に挙げると、中島健人佐藤勝利、倉本郁、松島聡、高橋颯、岸優太の六名のみ。マリウス葉の表示はなかったように見受ける。九月二十九日までの間に、マリウス葉に対する評価の急上昇があったことを物語る。
歌のあと、平成ジャンプの有岡大貴と八乙女光が「ジャニーズジュニアのパワーの源」という題で、松島聡佐藤勝利と倉本郁の三名に話を聴いた。松島聡の回答は、飼い犬のマルチーズ。名を「ムク」と云う。佐藤勝利の回答は、ファンレター。応援の他に、「改善点」等も記されていて、それを読んで改善を図っているとか。「駄目出し」のような若者言葉を用いず「改善点」という難しい言葉を用いる点に、佐藤勝利の生真面目さ加減がよく表れていて好ましい。倉本郁の回答は肉。
アイドル候補生が各種エンタテインメントの技を競い合う「ジュニア熱血バトル」第六回(関西版を含めた通算で第七回)は今回、「Hey!Say!7をあばけ」。
アイドル候補生ジャニーズJr.皆に一つの質問を出してそれぞれからの回答を提出させる「Jr.にQ」。司会は中島裕翔と八乙女光。質問の題は「秋のオススメNo.1」。八乙女光の「秋のオススメ」は八代亜紀
中村嶺亜の回答は「油絵」。自作の油絵を持参して登場。壊れた塀の裂け目から栗鼠が姿を覗かせている図。色と筆触に潤いがあって、なかなか上手いように見えた。
中島健人の回答は「Ke$ha 『Tik Tok』」。
番組の最後に歌われた「Midnight Train」冒頭では、知念侑李の周囲に佐藤勝利マリウス葉松島聡、倉本郁等がいて、山田涼介の左右に中島健人松村北斗がいた。