妖怪人間ベム第九話

日本テレビ土曜ドラマ妖怪人間ベム」。第九話。
ベム(亀梨和也)とベラ(杏)とベロ(鈴木福)は、自称「名前のない男」(柄本明)との対話を通して、彼等四者の誕生から今までの経緯の全貌を知ることを得た。このことは視聴者から見るなら、次週の最終回を前にして真相の解明に直面することによって、今までの物語の意味を把握すると同時に、結末の条件を提示されたということでもある。
それにしても、彼等四者の妖怪と人間との間の差こそが「人間になる」ための条件の手がかりだったという真相には唸らされた。なるほど、人間は皆、善と悪と併せ呑んでいるのに対し、妖怪人間であるベムとベラとベロには善しかなく、「名前のない男」には悪しかない。ゆえにベムとベラとベロが人間になるためには「名前のない男」と融合することによって悪を呑まなければならないのだ。このような非道の条件を、ベムとベラとベロは受け入れ得るだろうか。だが、それを受け容れないということは、人間を受け容れないということに等しいのだろうか。(気持ち悪い老人と一体化するなんて嫌だ!という生理的な嫌悪感の類がこの物語において問題になるはずもないだろうことは云うまでもない。)
かかる「人間の条件」を前にして、ベムとベラとベロはどのように決断し、どのように行動するのか。次週の最終話に注目しよう。