仮面ライダーフォーゼ第十五話

仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第十五話「聖・夜・合・唱」。
天ノ川学園高等学校の放課後。如月弦太朗(福士蒼汰)と、阿部純太(田辺季正)と片桐平(西洋亮)と渡辺伊吹(吉田伊吹)の合唱部三人組との間の遣り取りが面白かった。この合唱部三人組は、主に片桐平の容姿と言動の迫力によって、まるで変人揃いであるかのように見えてしまうが、実際には意外に常識人の集団でもあるようで、真に変人であるのは如月弦太朗の方であるのかもしれないことを想起させる遣り取りになっていた。
他方、阿部純太の友人でもある美術家志望の完璧主義者、元山惣帥(秋元龍太朗)と如月弦太朗との出会いは、繊細で神経質な少年と活発で陽気な少年との対比であることによって普遍的な味わいを生じたと云えるが、ここで見落とせないのは、元山惣帥が油彩で描いていた富士山の風景画を見て如月弦太朗が腰を抜かす程に感銘を受け、その美を喜んだとき、元山惣帥が一瞬は密かに嬉しそうに笑んでいたところにある。元山惣帥は、もし変な校長に見込まれることがなく、ペルセウスのゾディアーツに変身する能力を与えられることがなかったなら、案外、如月弦太朗を好ましい友として受け入れることもできていたのではないだろうか。
元山惣帥は、「ハヤブサくんの歌」を謳い上げる城島ユウキ(清水富美加)の歌声を「酷い」と批判し、耳を塞ぎ、抹殺しようとしていたが、テレヴィを通して聴く限り、なかなか心地よい声であるし上手いと思える。