仮面ライダーフォーゼ第二十七話

仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第二十七話「変・身・却・下」。
如月弦太朗(福士蒼汰)の家と家族が明らかにされた。「如月モータース」と号する小さなバイク店を営んでいる古くて小さな家。店の主人でありバイク修理の技術者である祖父の如月吾郎(八名信夫)と二人で暮らしている。店は小さいが、祖父の技術は優れていたようで、乞われて全国各地のサーキットを転々としていたらしい。如月弦太朗がこれまで引越の多い少年時代を過ごしてきたのはそのためだった。
引越の多い生活を彼は大いに楽しんできた。各地で新たな出会いがあるのを楽しんだのだろう。彼は祖父を「吾郎爺」と呼んでいるようだ。
そのような各地を転々とする生活が始まったのは、如月弦太朗が小学三年生だったとき。彼の両親が交通事故で亡くなって、祖父に引き取られたからだった。両親も二人揃って技術者、それも極めて難しげな科学領域の技術者だったらしく、夫妻で難解な問題を語り合うのが日常の景色だったとか。なるほど意味ありげだ。
如月弦太朗の父は、彼に友ができたという報告を受ける度に喜んでいた。彼が誰ともでも友になろうとしているのは、亡き両親の御霊を喜ばせたいからだったのだ。
如月弦太朗は今なお朔田流星(吉沢亮)とは本当には友になり切れていないと感じているが、実のところ朔田流星の側が心密かに友になることを拒否しているのだから、如月弦太朗のこの感覚は鋭い。かつて朔田流星は、大親友だと信じていた一人の友と本当には心が通じ合えていなかったことを思い知らされ、裏切られたのと同時に救うこともできなかったことを今なお悔いていて、以来、真の友は極めて重いものであると思い、ゆえに軽々しく友を作ってはならないと決めているのだ。
それでもなお、野座間友子(志保)は常に朔田流星を見詰め、見失わないようにしているし、如月弦太朗は何時か朔田流星が心を開いてくれるだろうと信じている。これでもなお友にはなり得ないということがあろうか。次週の展開を見守ろう。
ところで、如月弦太朗が両親との死別について陽気に爽やかに笑顔で軽やかに明らかにしたとき、それを聴いていた大文字隼(冨森ジャスティン)やJK=ジェイク(土屋シオン)等が何時になく神妙な顔をしていたのは、笑顔がその正反対の感情を表現していることを強調して、一寸よい画だった。