仮面ライダーフォーゼ第十六話
仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第十六話「正・邪・葛・藤」。
先週の第十五話において、如月弦太朗(福士蒼汰)が元山惣帥(秋元龍太朗)の描いた富士山の油彩画を見て腰を抜かす程に感動し、元山惣帥がそれを見て笑んでいたことには重大な意味があった。なぜならこのことは、如月弦太朗が絵を愛する心の持ち主であること、そして元山惣帥がそのような心を愛することを物語っているからだ。だからこそ元山惣帥は、如月弦太朗の描いた富士山の画の、幼児の画のように幼稚な表現の中に最大限に込められた心を感受して、動揺せずにはいられなかったのだ。そこにおいて生じた隙が、如月弦太朗への彼の攻撃を不徹底なものにとどめて、フォーゼの挽回を可能にした。
勝利を可能にする条件が物質的・物量的な力にあるよりも情や愛の力にあるのは、物語の典型であるとも云えるが、やはり学園ドラマという設定には似つかわしい。
後半には唐突に新たな仮面ライダーが登場した。メテオと云うらしい。演じる吉沢亮の顔が美しいので一応は楽しみではあるが、途中から登場した新たな仮面ライダーの活躍ばかりが目立って主人公の仮面ライダーの影が薄くなるような話になるようだと、素直には楽しめなくなるかもしれない。