割れた鏡

朝、出勤前に、室内に立ててあった縦長の鏡が倒れて一部が割れる事故があった。いつも室内では裸足で生活しているので、細かな破片の一つも床に残さないように慎重に掃除した。一部の欠けた鏡には、その欠けた部分をガムテープで覆って保護しておいた。余裕のある朝だったはずが、慌ただしく忙しい朝になった。同時に、不吉な予感を禁じ得なかった。
この嫌な予感は少々当たったのかもしれない。なぜなら午前中に、非常階段で談笑していた人々の邪魔をする格好になって、睨まれる出来事があったから。普段からエレベイターを殆ど使わず階段を使用しているので、このように、見てはならない(のかもしれない)場面を目撃してしまうこともある。
しかし午後には郷里からの来客もあって穏やかに楽しく過ごし得た。夕方、帰途には千舟町通のジュンク堂へ寄って、美術雑誌二冊と新書『反・幸福論』一冊を購入し、道後まで歩いて帰った。歩いていた間、午前中の怒りの顔を思い出した。