土曜ドラマ理想の息子第九話

出勤。帰途にジュンク堂へ行き、ライプニッツ学の入門書とともに中野剛志&三橋貴明の対談『売国奴に告ぐ!』を購入。
ところで。
土曜ドラマ「理想の息子」。第九話。
鈴木大地山田涼介)の人望と能力に嫉妬した小林浩司(中島裕翔)は、その評判を失墜させるべく手の込んだ陰謀を企てたが、小林浩司を嫌って鈴木大地に付きまとう篠田ソラ(石橋杏奈)は小林浩司の陰謀を見破り、その証拠を掴み、鈴木大地を救おうとした。ところが、鈴木大地は篠田ソラから証拠を奪った上で小林浩司の陰謀を成就させた。鰐川悠馬(入江甚儀)、羽生義和(柄本時生)、象林友行(諸見里大介)、豹塚昌子(吉永淳)は鈴木大地を憎み、もはや仲間ではなくなった。
鈴木大地は、小林浩司の暗黒面が暴露されるのを防ぎたかったのだろう。露見するや、ただでさえ人望のない彼はさらに救いようもない状態に堕するに相違ないからだ。そうなるよりはむしろ自身が悪役を引き受けることを鈴木大地は選んだ。しかも、そうすることで小林浩司はそれなりの信頼と人気を得て、将来の大企業の総帥として最小限の自信を持つこともできるかもしれない。鈴木大地はそう考えたろうか。
しかし、ここまで卑怯な手段に出た小林浩司と、彼をそこまで追い詰めた小林光子(鈴木杏樹)には、然るべく天罰が下されることを願わずにはいられない。
他方、鈴木海(鈴木京香)との会話の中で三船憲吾(藤ヶ谷太輔)が、行方不明の母への矛盾した思いを語った場面や、鈴木大地に対して子離れの意を宣言した鈴木海が、余りにも重過ぎる自身の愛を敢えて分割してでも軽減しなければならないと覚悟した辛さを胸中に抱いていた場面には、色々胸に迫るものがあった。余りにも強烈に大きく重い愛を胸中に生じてしまった者は、そんな自分自身の感情を自ら支えきれなくなるものだろう。それを人は寂しさと云うに相違ない。

ライプニッツを学ぶ人のために 売国奴に告ぐ! いま日本に迫る危機の正体