約三週間前のテストの花道

先月二月十八日の、朝のNHK教育テレビEテレ)の番組「テストの花道」(再放送)には勉強倶楽部員ヒロキこと仲田拡輝が出演していた。やはり派手な髪型。
入学試験における小論文問題への対策として、自分自身の「観点」を持つことを勧める話。例えば、「スポーツとは何か?」という題を与えられて小論文を書く場合に、一体どのような「観点」から書いてみようと思うかを考えよ!という番組側からの問いに対して仲田拡輝は、当初は「体力と精神を向上させ、ストレスも発散でき、人を成長させるもの!!」として「スポーツとは何か?」を論じてみたいと考えていたらしいが、番組の提唱する方法論を学んだのちには「心を豊かにし、コミュニケーション能力を向上し、子供から大人まで楽しめる」という論を考えるようになっていた。なるほど、却って悪くなっているではないか。
昨年度のこの番組にはそれなりに見るべきものがあったかと記憶するが、本年度のこの番組には何かしら視聴している少年少女を混乱させるような、「考える力」を劣化させかねないような荒唐無稽な提案が目立つような気がする。個性的な観点を持て!という教え方は一見無害のようだが、現実には個性的な観点を持つことに何の意義もないような問題もあり得ることを知らなければならない。例えば、白を黒と云うことは意味がないし、「日本国は日本国民のものではない」と云うことは異常であって、そのような「個性的な」だけの空虚な「観点」を持ってはならない。