仮面ライダーフォーゼ第三十話
仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第三十一話「昴・星・王・国」。
意外の展開。フォーゼ=如月弦太朗(福士蒼汰)が殺害されてしまった。しかも殺害した犯人はメテオ=朔田流星(吉沢亮)。入院中の瀕死の友を救いたいという目的を達するために、そのための方法を有していると思しい牡羊座ゾディアーツ=山田竜守(川原一馬)と手を組んでいたのだ。云わば悪魔と契約して魔女になっていたのだ。
メテオを制御しているだけではなく朔田流星をも常に監視下に置いているはずのタチバナ(声:檜山修之)にとっても、これは意外の展開だった。だから彼は、メテオが如月弦太朗を殺害した直後、その変身を解除した。(監視を怠っていたのだろうか?)
この瞬間、メテオの正体が朔田流星だった事実を、終焉の直前の如月弦太朗をはじめ皆が知った。歌星賢吾(高橋龍輝)も、城島ユウキ(清水富美加)も風城美羽(坂田梨香子)もJK=ジェイク(土屋シオン)も大文字隼(冨森ジャスティン)も、そして野座間友子(志保)も、皆が知ってしまった。しかもメテオの正体を知らされた瞬間、その正体である朔田流星が殺人者になってしまった事実をも見せ付けられたのだ。如月弦太朗自身は朔田流星が殆ど初めて本気で己に打つかってきてくれたことを喜んだが、無論こんな不条理を他の皆が受け容れ得るはずがない。
気になるのは、この「仮面ライダーフォーゼ」という物語において本当にこれがフォーゼ=如月弦太朗の最期であるのか?それとも上手い具合に蘇生するのか?という点だが、次週にも蘇生し得るのだとすると、制作者一同に対しては、安直に主人公を死なせるな!と文句の一つも云いたくもなる。
ところで、山田竜守を「アリエス」(牡羊座)のゾディアーツにしたのは天ノ川学園高等学校の「校長」こと天秤座ゾディアーツ=速水公平(天野浩成)だったが、生憎、山田竜守は速水公平の制御を受けようとはしないばかりか、むしろ速水公平を制御できる立場にさえある。ゾディアーツ界における支配と被支配の関係は余りにも脆弱で不安定で危うい。それなのに速水公平は常に自身が支配の側に立ち得るはずだという自信を持っていると見受けるが、どうしてそんなに自信満々でいられるのか、その根拠を教えて欲しい位だ。もちろん何の根拠もないというのが正解だろう。