国と政府

休日。一日の大半をパソコン内のデータの整理に費やしていた。夜七時頃に近所の食料品店へ行ったのが唯一の外出。
ところで。
昨夜、京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授に対するノーベル医学生理学賞の授与が発表され、京都大学における記者会見に臨んだ教授は「日の丸の支援がなければ、受賞できなかった。日本という国が受賞した賞だと感じています」と発言なさったと報じられている。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20121008-OHT1T00277.htm」。
謙虚で敬虔であると同時に、極めて正確な言と聞こえる。なぜなら日本国は日本国政府と同一ではないからだ。ことに現在の日本国政府を占拠する政党は、「事業仕分」とか云う愚劣なイヴェントで様々な分野の研究事業を愚弄して見世物にして停滞へ陥れようとした張本人に他ならないが、これは日本の伝統に照らして違和感を惹起するのみならず日本の文化を崩壊へ導くものでしかない。そして山中伸弥教授御自身も事業仕分騒動の被害者の一人だったのだ。教授は日本国政府によって研究を妨害されたわけだが、それでも「日の丸」と「君が代」の象徴する日本国から支援を得てきたというのは事実であり得る。何と正確な発言だろうか。
インターネット上で色々議論されているところによると、麻生内閣山中伸弥教授の研究の意義を認識してその研究に対して毎年四十億円もの予算を付けていたが、政権交代後、民主党政府は事業仕分によってそこから三十億円も派手に削減し、十億円しか付けていなかったらしい。所謂「無駄削減」こそ有害と知るべし。