仮面ライダーウィザード第八話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第八話「新たな魔法石」。
ファントム陣営の大将であるメドゥーサ(中山絵梨奈)から何時も軽んじられてきたフェニックス(篤海)が今回は自ら出馬したいと願望し、ワイズマン(古川登志夫)の許可を得て、自らゲートの関係者を襲撃し、ウィザード=操真晴人(白石隼也)からの攻撃にも立ち向かった。
これまでは、体力のある限り魔力を維持できて、殆ど無敵の強さを誇っていたはずのウィザードの攻撃力が、フェニックスには全く通用しなかった。そしてフェニックスからの攻撃に、ウィザードは防戦することさえ満足にできていなかった。現時点における魔力の差は歴然。この差を小さくして、さらに乗り越えることができるのは何時になることだろうか。
メデューサとフェニックスに狙われた今回のゲートは伊藤洋樹(武田勝斗)。小学生。その母の伊藤美紀子(八木さおり)は操真晴人の少年時代を知る人物だった。この意外な繋がりについて操真晴人が伊藤洋樹に語り聞かせたことから、操真晴人の少年時代の大事件が明らかにされた。
少年時代の操真晴人(中島凱斗)は、父と母との三人家族で自家用車に乗って雨の夜にどこかへ出かける途上、前方不注意の対向車に衝突されたのか、大きな交通事故に遭い、彼一人が大怪我だけで済んだのは不幸中の幸いだったが、母と父は病院で彼の眼前で容体を急変させて逝去した。亡くなる直前の二人は、心配する幼い彼の手を握り、彼の存在こそが「最後の希望」であると云って無事を喜んでいた。
魔法青年として戦う彼が人々の「希望」であろうとする原点がここにあったと知る。
このときの病院で医師の一人として働いていたのが伊藤美紀子だった。自身の子である伊藤洋樹の現在の年齢と同じ位の年齢だった当時の操真晴人が、今や頼もしい青年に、しかも正義の味方の魔法使い青年に成長していたと知った。かつて伊藤美紀子は両親を失った幼い操真晴人を守りたいと願望したが、今や操真晴人が、当時の自身と同じ位の年齢の伊藤洋樹を守ろうとしている。操真晴人と伊藤美紀子それぞれの感慨の深さを、容易に想像できる。