パーフェクト・ブルー第三話

宮部みゆきミステリー「パーフェクト・ブルー」。第三話。
主人公の通っているBAR「ラ・シーナ」の若い店員、諸岡進也(中川大志)の今週の出番は一度しかなかった。
それは番組開始から二十分間ばかり経過した辺からの約一分間。
主人公等の行き付けの店であるBAR「ラ・シーナ」の店内で、彼は何時ものように灰色のシャツを着て、カウンターの中でグラスを拭いて働いていた。カウンター席には、主人公の蓮見加代子(瀧本美織)と、妹の蓮見糸子(高橋春織)と、母の蓮見杏子(財前直見)の三人家族がいた。テーブル席には数人の客がいたようだが、たった今、店主の椎名悠介(寺脇康文)に見送られて退出したところ。
蓮見加代子は自身の従事している事件について現状を語り、それについて進也が意見を述べたところ、また何時ものように蓮見糸子が文句を云い、両名で軽い口喧嘩のようになったが、店主は彼にテーブル席を片付けるように云い付け、彼はカウンターから出てきて、テーブル席を片付け始めた。働いている後姿が爽やかだった。
今宵の第三話で凄かったのは、真の脅迫犯が誰であるのかは視聴者の眼には消去法から明白だった反面、劇中の探偵には必ずしも明白ではなかったように思われるにもかかわらず、どういうわけか明白だったらしい点だろう。一体何を根拠に犯人を特定できたのだろうか。他に選択肢を知らなかったから…とでも云うのか。
蓮見家の加代子と糸子の父であり杏子の夫である人物の謎の死去に関して、真相究明の手がかりとなりそうであると見込まれている謎の語「パーフェクト・ブルー」について、蓮見杏子の経営する蓮見探偵事務所の調査員の一員、君塚奈々(平山あや)が何か知っていて、しかも何者かの指示に従って、蓮見探偵事務所の内部で工作活動に従事しているらしいことがいよいよ確定した。探偵が身内に敵を飼っているとは不用心な話だ。