パーフェクト・ブルー第十話

宮部みゆきミステリー「パーフェクト・ブルー」。第十話。
次週の最終話を前に物語は一挙に進展し、謎が次第に明かされつつある。ことに今宵の第十話の冒頭には、先週の第九話における事件の延長上に深刻な悲しい事件があったはずで、それが七年前の事件の解明へ繋がったわけだが、生憎、今宵の宿泊先であるホテルへ着いたのは夜八時二十分頃だったので、そうした重要な部分を丸ごと見逃した。しかし留守中の自宅で録画を予約してあるので出張からの帰宅後に見ることにしよう。
諸岡進也(中川大志)と、彼の働いているBAR「ラ・シーナ」に毎晩のように通っている主人公の蓮見加代子(瀧本美織)は、彼の兄である克彦(野村周平)の焼死を目撃したはずだが、蓮見加代子は兎も角、進也が今宵の第十話の後半の時点で早くも立ち直っていた様子だったのは少々違和感を惹起した。
主要な登場人物には出番が多く色々な役割があるので、悲しみに沈み続けているようでは困るというのがドラマ制作者側の事情だろうか。
もう一つ見逃せないのは、七年前の事件を通してBAR「ラ・シーナ」の人々と蓮見家の人々が「運命の糸」で結ばれていたようであるという進也の発言。
確かに、蓮見杏子(財前直見)の亡き夫であり蓮見加代子と蓮見糸子(高橋春織)の亡き父である人物(船越英一郎)が自殺に見せかけて殺害された七年前の事件には、この人物が大病院の失敗に関して進めていた調査活動を通してラ・シーナ店主の椎名悠介(寺脇康文)も関係していた上、その大病院の不正による被害者の人脈を通じて進也までも関係していた。事件の関係者が何時しか一箇所に集合していたという人間関係の凄まじい高密度は、単なる偶然か、それとも何か意味があるのか。何となく後者ではなさそうだ。