年末年始四日目/元日/初詣

年末年始休日四日目。平成二十五年、二千六百七十三年の元日。
朝十時頃に起きて、一人用の御節料理を温めて一気に食べて、食べ過ぎて疲れたので暫くは怠惰に過ごし、昼食を摂るまでもない状態のまま、夕方四時に外出し、道後の伊佐爾波神社(湯月八幡宮)へ参詣。道中にある老舗の温泉旅館の玄関前では鏡開が盛大に挙行されたらしく、後片付の様子のみを見た。伊佐爾波神社は流石に普段とは比較にもならない程に賑わっていて、高く延々続く石段の上で大渋滞が発生していた。初めて参詣した人々も多かったのだろうか、拝礼の場所が門外ではなく、回廊の内部にあることを知って驚いている人々が多かった。御手洗の脇ではゼンザイと甘酒の接待が行われていたが、ゼンザイは遂に準備が追い付かなくなっていて、大盛況の程を物語る。大混雑を避けて石段を降りて、次に冠山へ登り、湯神社にも参詣。冠山を西側へ降りて、重要文化財道後温泉本館」の脇にある「玉の石」にも拝礼。かつて大国主命少彦名命を道後の湯で甦らせた際、少彦名命がこの石の上で舞ったと伝えられる。ただし大国主命は別府の湯を道後へ導いたらしいので、道後温泉の源流は別府温泉にあるということになる。
既に五時になろうとしていたが、もう一社だけ参っておこうと思い、道後温泉本館から西へ進み、温泉旅館街を抜け、色街を通過して、二十四時間営業の食料品店の西脇にある道を真直ぐ歩き、松山神社(東照宮天満宮)へ参詣した。松山城の鬼門を守る東照宮であり、緑の深い山の上にあるので、晴天の昼でも参道は常に暗く、夕暮れ時のこのときは空も暗くなっていたが、それでもまだ多くの参詣者があり、何時になく何人もの巫女の姿もあった。昼間には賑わっていたに相違ない。拝礼を終えて参道を下りていると、とんでもなく山奥へ来たかのような錯覚に陥ったが、不図、木々の彼方を見れば温泉旅館街の高い建物が林立する景色を垣間見て、現実に返った。吾が家からも徒歩十分程度の位置でしかない。
食料品店に寄って洋菓子と、明日の朝のための鰤の塩焼を購入して帰宅。夕方にテレヴィで放送されていた「笑点」を予約録画しておいたのを深夜に見た。金メダリスト吉田沙保里選手が大喜利に出ていた。