仮面ライダーウィザード第二十七話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第二十七話「姉と妹」。
ウィザード=操真晴人(白石隼也)を軽く撃破したメデューサ中山絵梨奈)は、亡き稲森美沙(中山絵梨奈)の妹である稲森真由(中山絵梨奈)を深く絶望させてファントムを生じさせようとしたが、稲森真由は自力で立ち直った。かつて操真晴人が自力で絶望から立ち直ったのと同じであり、ゆえに稲森真由も新たな魔法使いになる資格を得た。
白い魔法使い(声:高階俊嗣)が稲森真由に、魔法使いになるかをどうかを尋ねたとき、操真晴人は止めようとしたが、白い魔法使いは稲森真由自身の決断に委ねるべきであることを述べて操真晴人を牽制した。魔法使いになることは苦難の道でしかないと操真晴人は感じていて、白い魔法使いもそれを理解しているのだろう。それでもなお、まだ高等学校も卒業していない年齢の稲盛真由に急の決断を迫り苦難の道を選ばせたのであるから、白い魔法使いは恐ろしい。
微妙に気になったのは、白い魔法使いが稲森真由を丁重にどこかへ連れ去る段、操真晴人に対しては突き放すような冷たい態度を取ったように見えたこと。まるで操真晴人には用がなくなって捨てようとしているかのようでさえあった。
ソラ(前山剛久)は、この突然の白い魔法使いの出現を目撃できて、「ラッキー」であると呟いた。ソラは白い魔法使いの存在を知っていて、でも実際に見たことはなく、滅多に見ることはできないと思っていたようだ。そして多分それ以上に、白い魔法使いの存在とその姿形や言動を確認し把握しておくことは、今後の自身の計略の行方を定めるにあたり有益であるとも思っているに相違ない。
ソラは白い魔法使いとはどのような位置関係にあるのか。白い魔法使いはどこまで操真晴人の味方であり得るのか。
ソラは今回、メデューサの指示に従ってビースト=仁藤攻介(永瀬匡)相手に戦ってはいたが、別の場所で行われていたメデューサとウィザードとの戦闘にそろそろ進展があったのではないかと思われる頃合を見計らって、急にビーストとの戦闘を中断し、メデューサとウィザードの戦場へ出かけた。観戦したかったからそのように行動したのだろうが、これは同時に、彼の関心があくまでもメデューサをはじめとするファントム陣営にあること、魔法使い陣営にはないことを物語るようにも見える。
メデューサは、かつてコヨミ(奥仲麻琴)から魔力を除去したのと同じ遣り方で今度は操真晴人から魔力を除去し、変身を解除させて倒し、同時に稲森真由の絶望にも成功しつつあったとき、絶望を止めたくとも立ち上がることさえもできないまま悲鳴を上げた操真晴人に、稲森真由の絶望とファントム化を見るがよい!そして同じように絶望してファントム化するがよい!と云い放った。まるで操真晴人の最大の苦難を、予告しているかのようにも聞こえた。