旅行記三/東京国立博物館の大神社展と鶴屋吉信と新指定重要文化財展

旅行記三。
朝八時頃、ホテルに併設されている食堂で朝食。宿泊室に戻り、荷物をまとめて、十時頃にホテルを退出。雨中、傘をさして荷物を転がしつつ歩き、浅草寺の雷門に別れを告げて、銀座線の浅草駅を出立。上野駅で降りて、JR上野駅に入場券で入って大型コインロッカーへ荷物を預けてから上野恩賜公園へ。
東京国立博物館の平成館で開催されている「国宝 大神社展」を観照。
今日が雨天だったことは幸運だったのかもしれない。なぜなら日曜にしては意外に人が多くなく、ゆったり観照することができたから。日本の文化や信仰を考える者には必見の展覧会であると断言して良いと思う。
会場を一周し終えたとき既に昼二時。疲れたので、平成館の一階の講堂前に出店している京菓匠「鶴屋吉信」で「光悦満雲寿」と「つばらつばら」を購入して休憩。
休憩後、歩きながら玄関の外を見れば雨は止んだ様子だった。
平成館の一階の、講堂の反対側にある企画展示室で今日まで開催されていた「東京国立博物館コレクション 保存と修復」を観照。江戸時代の《花車図屏風》六曲屏風一双や鎌倉時代の《阿弥陀如来像》一幅、梁楷筆《六祖截竹図》一幅(重要文化財)、千利休の書状一幅等があった。
平成館から渡廊下で本館へ移動。本館の一階の近代美術室で塩川文麟筆《嵐山春景》一幅や鏑木清方筆《黒髪》四曲屏風一双を中心に観照し、近代工芸室で宮川香山の蟹を中心に見て、売店も眺めたあと、二階へ上がり、特別室二室で開催されている企画展示「平成25年 新指定 国宝・重要文化財」を観照。重要文化財《絹本著色聖徳太子勝鬘経講讃図》一幅(法隆寺蔵)や重要文化財古今和歌集巻第一断簡(高野切)》一幅(出光美術館蔵)等。
ここまで見た時点で既に昼三時半を過ぎていたので、慌てて書画展開室の江戸時代絵画も急ぎ眺めたあと、一階へ降りて売店で少し買物をして館を出て、上野駅へ急ぎ、コインロッカーから荷物を出して「大神社展」図録や売店の菓子を詰め込んで荷物をまとめ直し、歩廊へ着いたとき三時五十五分。乗る予定だった電車の到着時刻に間に合った。運よく予定通りの時刻に上野駅を発って浜松町駅で四時十六分発の東京モノレールに乗り換えて、何とか予定通り四時三十七分に羽田空港へ到着。荷物を預け、保安検査を通過し、搭乗待合室では、珈琲を注文して飲み終えても時間が余る程度の余裕があった。松山空港からバスで道後へ戻った。
早速、荷物を解いて、洗濯を始め、米を炊いて、帰途に買ってきた野菜と肉を煮込んでいると、早くも日常へ舞い戻る。