仮面ライダーウィザード第三十二話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第三十二話「危険なアルバイト」。
魔宝石の工房「面影堂」における朝食の場面が最高に面白かった。仁藤攻介(永瀬匡)が大食漢であるのは周知の通りであるし、大門凜子(高山侑子)が大食であるのも違和感なく見えるが、操真晴人(白石隼也)にも食欲旺盛な面があるというのは意外な事実だった。気になったのは、操真晴人が何か黄色いものを隣席の奈良瞬平(戸塚純貴)の茶碗に放り込んでいたこと。何だろうか。玉子焼だろうか。操真晴人は玉子焼を好まないのだろうか。この辺には、ドーナツ店における彼の偏食に通じる面もあるのかもしれない。
この場面を面白くしたのは、給仕の役目を引き受けるコヨミ(奥仲麻琴)の、労働量の凄まじさ。コヨミの生命を維持するのは操真晴人の供給する魔力だけで、人間の食糧ではないから、食事の場面では給仕の役に徹するのだろうか。しかし余りの忙しさに流石に苛立っていたところを見るに、普段はあれ程には忙しくならないのだろう。仁藤攻介と大門凛子が朝食に加わった所為で消費量が数倍増し、コヨミの忙しさも数倍増したのではないかと思われる。それでもコヨミの怒りの向かう先は奈良瞬平。
他方、ファントム陣営ではソラ(前山剛久)がメデューサ中山絵梨奈)を部下として酷使するようになった。ソラは予て変な奴ではあったが、予想以上に嫌な奴でもあった。ソラに反感を抱きつつもソラに抵抗できないメデューサは密かに軽く、操真晴人や仁藤攻介に助け舟を出した。この種の役割は、少し前まではソラが担っていた。ソラがメデューサの邪魔をしていたのはワイズマン(声:古川登志夫)に接する機会を得るためだったが、メデューサがソラの邪魔をするのはソラを憎んでいるから。
そして今回の話では最後、幽霊のようなファントムがウィザードによって退治されたかのように見えたものの、爆発した直後に分裂して、数人のゲートに憑りついたように見えた。しかもソラは「これから」であると笑って、未解決であることを予告していた。