報道二件-遺産/救出

出勤。図面を引いて一覧表を作る作業。帰宅後に凄まじく眠くなり、起きたのは翌朝六時五十分頃。ゆえに六月二十三日午前八時三十三分に記之。
ところで。
富士山と三保の松原世界文化遺産に選定された由の報道あり。世界遺産委員会ではドイツをはじめ各国の代表委員が、三保の松原を富士山から外してはならない旨を主張したらしい。理由として、その景が美術作品にも表現されることの多い富士山の風景の一部であるということが挙げられたところは、彼等の見識の高さをよく表している。高く評価されたのは、山と浜の景色そのものであるよりは、そこに神秘や伝説を見出して、詩文や書画や器や舞にも表現してきた古代以来の日本文化の歴史的な蓄積であると云ってもよい。
そんな大切な日に、救助された人あり。かねて小さな政府の論を主張し、構造改革を支持し続け、自己責任論を振りかざしてきた人が、自己責任どころか、莫大な国費を投じた救出作戦の当事者となって、「この国の国民でいて良かった」と発言せざるを得なかったところが今回の事件の間抜けなところだろう。無事だったのは幸いだが、もはや小さな政府や自己責任を論ずる資格はないと自覚すべきだ。