仮面ライダーウィザード第四十一話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第四十一話「魔法使いは運命」。
ウィザード=操真晴人(白石隼也)にもビースト=仁藤攻介(永瀬匡)にも新登場のメイジ=稲森真由(中山絵梨奈)にも、それぞれ格好良い見せ場があったが、今回のゲートであり今後の新たな魔法使い候補でもある飯島譲(相馬眞大)に対する言動も含めて最もヒーローらしい格好良さを発揮したのは仁藤攻介だった。事実上の主人公と云うも過言ではない程だったが、それ程の特別な扱いを彼が受けることにはそれなりの意味があったようだ。「古の魔法使い」と呼ばれるビーストは、「白い魔法使い」の意図によって作り出されたウィザードやメイジとは異なった原理に基づいていて、いわば規格外の存在であるらしいからだ。今後の展開にも重要な意味を持つことだろう。
白い魔法使いが何か怪しげな意図を持って怪しげな行動を採っているらしいことは、ようやく確実になってきた。魔法使いになることを拒否した飯島譲少年を強引に魔法使いにすべく拉致したのだ。国家安全局〇課の木崎警視(川野直輝)に乱暴を働いた末にどこかへ拉致した犯人も、事件の直前に笛の音が聞こえた以上、笛を武器に用いる白い魔法使いであるのは明白だろう。
拉致される直前の木崎警視は、大門凜子(高山侑子)に作成させたモンタージュ写真を見て、直ぐに想起した一人の人物について、警察のデータベースで調べていた。その人物を彼は魔法の研究者と思い込んでいたようであるから、多分、かつて魔宝石を彼に提供した人物ではないだろうか。その人物の名は笛木奏(池田成志)。まさしく白い魔法使いに変身する人物その人に他ならない。問題は、データベース上には笛木奏に連なる人物として笛木京子という名も記載されていて、そして木崎警視が笛の音を聞いたのはその名に気付いて驚いた瞬間の出来事だった点にある。因果関係を見ないわけにはゆかない。
笛木京子とは誰か。視聴者が持ち合わせている情報の範囲内で考える限り、該当し得るのはコヨミ(奥仲麻琴)の他にはない。ソラ(前山剛久)が(第三十八話で)コヨミを「人形」と形容したことも想起しておくべきだろう。
予てワイズマン(声:古川登志夫)に対して疑問を抱いていたソラは、いよいよワイズマンに対して不信感を隠そうともしなくなっているが、今回、規格外の魔法使いであるビーストに用はないことを宣告しつつ仁藤攻介を攻撃する白い魔法使い=笛木奏の姿を目撃したソラは、何か大いに納得した様子だった。白い魔法使いとワイズマンとの関係はどのように解明されることだろうか。