ぴんとこな第六話

木曜ドラマ9ぴんとこな」。第六話。
歌舞伎の名門「木嶋屋」の御曹司の河村恭之助(玉森裕太)の、杏星学園高等学校における一番の理解者であり親友であると自負している坂本春彦(ルイス・ジェシー改めジェシー)の出番は、今宵は皆無だった模様。
澤山一弥(中山優馬)の師の「轟屋」澤山咲五郎(榎木孝明)の令嬢の、澤山優奈(吉倉あおい)は、澤山一弥を独占するためには手段を選ばない覚悟であるらしく、他方、澤山一弥と同じく轟屋の門人の、澤山梢平(松村北斗)は、歌舞伎において遥かに先を行く強敵であると同時に、普通には勝てそうもない恋敵でもある澤山一弥を追い落として、澤山優奈を奪うためには手段を選ばない覚悟であるらしい。闘志に満ちていることは良いことであるのか知らないが、現時点では、澤山優奈は澤山梢平に選ばされた手段によって澤山一弥を苦しめて追い詰めているだけであるし、他方、澤山梢平は敵を没落させることはできても、その地位に己が取って代わることができないでいる事実に焦るのみではないのだろうか。
澤山一弥は千葉あやめ(川島海荷)とは暫し決別することを決意し、河村恭之助と競い合いながらともに生きてゆくことを選んだのだろうか。
それにしても、今宵の話における最も重要な局面の一は、澤山梢平の指図によって愚かにも澤山優奈の手で監禁されていた澤山一弥を千葉あやめが救出したところにあったと見られるが、果たして千葉あやめはどのようにして澤山一弥の事件を知り、居場所を突き止めたのか、全く描かれなかったのは解し難い。澤山一弥を監禁すべく千葉あやめの名を騙って騙して誘き出す携帯電話メイルが何者かによって送信されたとき(もちろん実行犯は澤山優奈だったろう)、テレヴィ画面にはどういうわけか、千葉あやめが携帯電話を見詰める姿が映された。視聴者を欺く意図があったのか知らないが、余計な誤解を生じただけだろう。これでは、まるで千葉あやめが澤山一弥を騙して誘き出して監禁して、ギリギリの時刻に救出してみせただけの自作自演のようにさえ見えてしまうではないか。