テレヴィ雑誌記事-アドリブ論

本日発売の雑誌「TVガイド」二〇一三年十一月八日号。
福士蒼汰の連載「福士蒼汰のフクシゴト お仕事A to Z辞典」。第X回で取り上げられた語は「X」。謎、未知、あるいは方程式の解。芝居をしている間、共演者と即興で(ad libitum)掛け合いをしていると自ずから、役者としての彼自身とは異なる役そのものの言動が出てくるのは不思議な感覚であると述べている。普段の彼であれば出てこないような言が不図湧いてくるらしい。「海の上の診療所」の撮影の現場でも、リハーサルの間に即興で(アドリブ)遣り取りをしていると自ずから形が成ることもあり、これが芝居の楽しさであると思うとのこと。「意外と直感で動く」彼は直感で決めると上手くゆくことが多いらしく、「人生に関わる大きなことはスパッと決めるのに、ご飯のメニューとか細かいことには優柔不断なんです」とも述べて笑んでいるが、図らずも人生論の真理を云い得ているのかもしれない(90頁)。
当地では放映されていない深夜テレヴィドラマ「49」における佐藤勝利の女装について見開き二頁にわたる特集記事あり。右側の頁には男子のままの顔写真が大きく載り、左側の頁の上半分には「男のムスメ集団“チキンバスケッツ”」九人の写真。中央には佐藤勝利がいて、左側には右から神宮寺勇太阿部顕嵐、羽生田挙武、寺西拓人、右側には右から安井謙太郎、七五三掛龍也、高橋颯、森田美勇人。この女装を拵えるまでには一時間をも要したらしいが、一度この格好になってみて五時間も経てば見慣れてしまい、むしろ本来の姿に戻ったとき互いに「誰だっけ?」と感じてしまっていた程に、感覚が変になってしまっていたとか。掲載されている写真で見る限り、神宮寺勇太も高橋颯も似合っているが、佐藤勝利は男子らしさの勝った顔であるから良い意味で女装には向いていない(26-27頁)。