海の上の診療所第六話

月九ドラマ「海の上の診療所」。第六話。
美しい瀬戸内海の島々をめぐり、無医の集落に年に一度の医療を施している瀬戸内海翔洋病院の診療船「海診丸」。その看護師の一人である戸神眞子(武井咲)の、高等学校時代以来の親友である岡崎泉(北野きい)は、戸神眞子と同じく元不良。しかし不良だったのは一時期だったようで、祖母の看病のために直ぐに立ち直り、やがて介護に関心を持って今や介護士として働いている。
そんな岡崎泉が、鳴美島で一人で生活する老いた沖田登美子(草村礼子)への思いから、その子息の沖田和俊(菊池均也)の強引で冷酷な行動に対して急に怒る場面では、現在の清楚な言動からは瞬時に一転し、元不良ならではの凄みを発揮した。この場面を、ドラマ制作者は今宵の第六話における最大の見せ場として設定していたに相違ないが、この場面の出現を導き出すために老女の子息を余りにも非道の人物に描き過ぎてしまったのは、良くなかったのではなかろうか。子息がここまで冷酷であるとなると、そんな人物を育ててしまった老女の人生は何だったのか?という話にもなりかねないからだ。
海診丸におけるもう一人の看護師、三崎昇(福士蒼汰)が戸神眞子の過去について誰よりも強く関心を抱いていたのは、多分、戸神眞子に好意を抱いているからだろう。このところ彼は戸神眞子よりも医師の瀬崎航太(松田翔太)の方に好意を寄せているように見えていたが、第一話の時点ではそうではなかったのを想起した。