旅行記/竹内栖鳳展/皇室の名品

旅行記。
今日一日間の休日を利用して日帰りの旅行。昨夜から起きていて、午前四時十分頃に家を出立。暗く寒い中、徒歩でJR松山駅へ行き、午前五時頃に特急列車に乗車。岡山駅で新幹線へ乗り換えて、午前九時頃に京都駅へ到着。地下鉄に乗り、烏丸御池で乗り換えて東山駅へ。
歩いて岡崎公園へ行き、晴天下に平安神宮の大鳥居を眺めたあと、九時四十分頃、先ずは京都市美術館へ入り、明日まで開催されている大展覧会「竹内栖鳳展-近代日本画の巨人」を鑑賞。次いで同館内で同じく明日まで開催されている所蔵品展「下絵を読み解く-竹内栖鳳の下絵と素描」を鑑賞。十一時三十六分に同館を出た。
次に京都国立近代美術館へ入り、一月十三日まで開催されている大展覧会「皇室の名品-近代日本美術の粋」と所蔵品展を鑑賞。展覧会の全体の会期こそ来年一月十三日まではあるが、十二月八日までで前期展は終了し、同月十一日から後期展が始まる。この展示替で注目すべきは、野口小蘋と竹内栖鳳が制作して大正度の大嘗祭で用いられた悠紀主基屏風が前期展のみに出品され、後期展では川合玉堂山元春挙が制作して昭和度の大嘗祭で用いられた悠紀主基屏風がこれに代わるということ。今尾景年が制作した錦軟障は前期展にも後期展にも出品されるが、そもそもこの軟障それ自体が今まで一般公開されたことがなかったのではないだろうか。悠紀主基屏風は一度しか使用されないが、今尾景年のこの軟障は大正度にも昭和度にも平成度にも引き続き使用されてきた現役の調度であり、その点でも極めて貴重。
栖鳳も小蘋もそれぞれ悠紀主基屏風の作法に従いながら同時に個性を発揮しているが、特に栖鳳は彩色を思い切り純化することによって四条派の軽やかな写生を中世やまと絵の大胆な装飾性に近付け、近代やまと絵の一様式を確立しようとしているとも見える。抽象化された雨雲と、いかにも四条派らしい雨に曇る景色との組み合わせは特に面白く、金泥の用い方も実に巧み。文人画を大和絵にした小蘋も上手いが、栖鳳の力量にはさらに圧倒された。「近代日本画の巨人」と形容するに相応しい。
所蔵品展では須田国太郎の油絵が多数あり、土田麦僊や村上華岳や野長瀬晩花をはじめ国画創作協会の日本画家たちの名品が多数あって見応えがあった。四階で「皇室の名品」の図録と悠紀主基屏風の絵葉書全種類を購入したあと、一階でも菊葉文化協会で宮内庁三の丸尚蔵館の図録六冊を購入。
昼二時五十分頃に美術館を出て、不図、京都市勧業館みやこめっせ」前を歩いてみたところ「京アニ」のイヴェントを開催していて大いに賑わっていた。看板の端に水泳アニメの絵があった。歩いて三条京阪へ行き、高山彦九郎皇居望拝之像を眺めてから三条京阪駅へ入り、烏丸御池駅で乗り換えてJR京都駅へ。夕方四時頃の新幹線に乗り、岡山駅で乗り換えて松山駅へ着いたのは夜八時半頃。九時頃には帰宅。