旅行記四/東京都美術館院展再興百年展

旅行記四。
休暇の日。起きたのは朝八時五十五分頃。十時までにはホテルを退出しなければならないので慌てそうになったが、まずは急ぎ朝食を摂り、ついで荷物の整理。
ここ数日間に購入した図録類に厚手のものが多く、旅行カバンに収まり切らなかったので、仕方なく、数冊を宅配便で自宅に送ることにした。宿泊室を出てフロントに依頼したところ、先週の大雪の影響で宅配便に遅滞が発生する恐れがあるので配達日の指定が不可能であると説明されたが、全く問題ないと即答した。それにしても、大雪の悪影響が想像以上に凄まじく、国土の脆弱性を痛感させられる。これでもなお強靭化の必要性を否定する人は頭がおかしいと疑われ得よう。
十時にホテルを退出して、今朝も浅草寺へ行き、最終日ということで漸く参拝。春季彼岸大法要ということで、太鼓が盛んに打ち鳴らされ、盛大に読経が行われていた。午後には東日本大震災追悼法要が行われる由。そして今年も三月から大絵馬寺宝展と伝法院庭園拝観が行われる由。今年も見に来るようにしたい。
参拝のあと仲見世を歩き、雷門をくぐり、銀座線の浅草駅から上野駅へ移動。入場券で駅へ入り、コインロッカーへ荷物を預けて駅を出て、上野恩賜公園へ。
十一時頃、東京都美術館へ到着。今月二十五日まで開催されている展覧会「日本美術院再興一〇〇年特別展 世紀の日本画」前期展を観照(三月一日から四月一日まで後期展がある)。安田靫彦の《飛鳥の春の額田王》、《卑弥呼》、《風神雷神》二曲屏風一双、小林古径の《竹取物語》絵巻、速水御舟の《洛北修学院村》、《京の舞妓》、平櫛田中の木彫《鏡獅子》、小倉遊亀の《径》等、名作が盛大に並んでいた。最も楽しめたのは今村紫紅の《熱国之巻》(重要文化財)。
東京都美術館を出たとき既に昼一時頃。上野駅へ戻り、コインロッカーから荷物を取り出して山手線で浜松町へ行き、東京モノレール羽田空港へ到着したのは二時二十分頃。搭乗待合室に蕎麦店があったので、天丼で遅めの朝食。二時五十五分に羽田空港を発ち、松山空港からはバスで道後へ戻り、帰宅したのは夕方六時頃だったろうか。