旅行記二/国立西洋美術館/東京国立博物館/江戸下町伝統工芸館

休日。朝十時にホテルを出て、周囲を歩いてみたところ、人力車の人々が道路の清掃を行っていた。銀座線で浅草駅から上野駅へ移動。雨が降りそうだったので念のためパンダ橋にあるコンヴィニエンス店で折り畳み傘を購入。東京文化会館が工事中だった。先ずは国立西洋美術館へ行き「THE RINGS 橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで―時を超える輝き」、常設展、ゴヤ版画展を観照。昼二時の少し前に国立西洋美術館を出て、次に国立新美術館にでも行こうかとも思ったが、今日は日曜日で大いに混雑しているのではないかとも思われたので、上野恩賜公園に留まることに決めてそのまま東京国立博物館へ。見れば門の脇に新しい門ができていて、その手前には小さな売店と休憩所もできていた。新しい券売所では券売機を従来よりも減らして、むしろ有人化していた。なるほど券売機を使えない人が多いのだろう。現在ここでは台湾国立故宮博物院展を開催していて、日曜日には大混雑が発生しているのではないかと予想されたので、今日はそれを避けて、平常展「総合文化展」だけを観照することにした。しかし休憩所へ向かうべく平成館へ入ってみたところ、意外に混んでもいない様子だった。持参してきたパンで昼食を済ませようと思っていたが、平成館の講堂前の休憩所は喫茶室に変えられていた。少なくとも昨年までは自由に飲食できる場所になっていて、弁当まで持ち込んでいる人の姿もあったが、今は禁止されている模様。仕方ないので本館前のベンチで昼食。本館の二階にある国宝室では久隅守景の名作《納涼図屏風》が出てきた。屏風室には狩野探幽の《周茂淑林和靖図屏風》等。書画展開室には狩野伊川院の《関羽山水図》のほか浦上玉堂や曽我蕭白、田能村竹田等の作品。一階の仏像室の展示の解説は子供のための仏像入門になっていた。最も驚かされたのは、歴史資料室と民俗資料室の間の休憩所からバルコニーへ出ることができるように改造されていたこと。休憩所と展示室の間にはもともとは扉はなかったが、今は二重の自動ドアが設けられていた。サーヴィスを向上させたのだろうが、これで本当に外気を遮断し切れているのだろうか、心配せざるを得ない。近代美術室では前田青邨の《大同石仏》、今尾景年の《鷲猿図》、青木繁の《日本武尊》等。売店で台湾国立故宮博物院展の図録をはじめ図録数冊を購入したところで夕方五時の閉館時間を迎えたので、本館前のベンチで少し休憩したあと、博物館を出て、銀座線で上野駅から浅草駅へ移動。雷門通の飲食店で夕食を摂ったあと、周囲を散歩。花やしき前まで行き、浅草ひさご通を歩き、江戸下町伝統工芸館の展示を観照したあと、西参道も歩いて、ホテルへ戻った。