伊予西条行/五百亀記念館一周年記念展覧会

休日。しかるに朝八時から仕事のような行事があり、休日らしくもなく早朝に外出。終了後に電車で道後温泉駅まで戻ったところで、予て気になっていた駅前のJA(農協)の店に入ってみれば、なかなか良さそうな商品が並んでいたので蜜柑ジュース・オレとブルーベリージャムとパンを購入。帰宅して暫し寛いだあと、昼に再び外出。電車でJR松山駅へ行き、特急列車で伊予西条駅へ移動。
晴天下、先ずは何時ものように西条市立西条図書館の玄関前にある青年男子の銅像「途」を見物。いつ見ても堂々として颯爽とした見事な裸体。商店街を北上して、楠通に坐している銅像「噺」を見物。葵通を西へ進み、西条市役所に寄ってみれば土曜であるにもかかわらず玄関が開いていたので、ロビー内にある銅像「潮先」と「うたかたの譜」を見物。そして西条市五百亀記念館へ到着。玄関前には銅像「動73」あり。
現在この館では開館一周年記念展覧会「吉田三郎と伊藤五百亀―師弟展―」を開催中。九月二十八日まで。吉田三郎による野口英世像と伊藤五百亀による野口英世像を比較すると、弟子は師に比して柔和な造形を志向したことが窺える。そして両者の観音像を比較するなら、師は仏像では仏像らしい造形に従おうとしていて、洋風彫刻と仏像で作風を変えていたように見受けるのに対し、弟子は洋風彫刻でも仏像でも同じようにして造形しようとしていたように感じられる。換言すれば、彼は青年男子像を作るときにも仏像を作るときの精神を持していたのではないだろうか。そのことは、鹿児島の知覧にある特攻勇士像「とこしえに」が今や立派に礼拝の対象となり得ている程に崇高な造型性を見せていることからも傍証されよう。古代ギリシアの美しい青年男子裸体像の多くが戦没の英霊の礼拝像であることをも想起してよいように思われる。
所蔵品展も大幅に一新されたが、中でも注目に値するのは少年男子の裸体像「揺籃」。この彫刻家の特徴の一つは、他の多くの彫刻家とは異なって、男子裸体を表現する際にも筋肉を特に強調することもなく贅肉で誤魔化すこともなく何の誇張もなく何の無駄もない自然な体型の美を丹念に追求した点にあるが、その方向性を決定付けたのがこの昭和三十九年の「揺籃」や、先日までは展示されていた昭和四十二年の「悠」であるように見える。実に興味深い展示になっている。
夕方五時二十分頃の特急列車に乗車して松山へ戻り、駅の近くにあった電器店へ寄ろうと思っていたところ、電器店の建物がなくなっていて、建て替えの工事をしていた。仕方ないので近くにある大型食料品店内の電器店に寄ろうとしたところ、そこもなくなっていた。伊予鉄道の電車で道後まで戻り、大型食料品店に寄って帰宅。